1月22日(土)報告会

武蔵野市の住民投票条例を考える会は122日に報告会を開催しました。地元選出の長島昭久衆議院議員、市議会議員のみなさまからご臨席賜りました。代表の金子から条例案否決にご尽力くださったみなさまに心からお礼を申し上げるとともに、「松下市政はイデオロギー先行が否めず、市長のイデオロギーに賛同できるか否かで市民を分断している」と述べ、来年4月の市議選で議会構成を変えていくことが住民投票条例の問題に真の決着をつけることになると訴えさせていただきました。

 

あいさつに立った市議会自由民主・市民クラブの小美濃安弘代表は「まず市民に知っていただく活動から始め、長島先生を中心に週末に大きな街頭活動も開いた。並行して考える会がポスティングなどを行ったおかげで、勢いや雰囲気が確実に議会に伝わった」と議会と市民が役割分担し否決に至ったと謝意を述べました。「否決はしたが何が出てくるかわからない。油断せず常に緊張しながらこの問題に取り組む」と決意を表明しました。長島代議士からは武蔵野市の住民投票条例案について地方自治と憲法の観点からご講演をいただきました。

 

報告会では、最初に住民投票条例案が市議会に上程されるまでの経緯と問題点を説明いたしました。住民投票条例は本来なら昨年10月の市長選で争点とすべき事案にもかかわらず、松下市長は自身の選挙公報や政策パンフレットに具体的な内容を全く触れていませんでした。市報においても昨年815日号に小さな字で「外国人を含む」と書いてあるだけで、投票対象や結果の公表など外国人投票権以外の重要な問題についての記載がありませんでした。金子は「市民が議論を深めるのは難しい状況だった。市長選の争点化を避けたように思える」と武蔵野市と市長の姿勢を批判しました。

 

さらに、武蔵野市が7割の市民が賛成と主張した根拠となった無作為抽出の市民アンケートにおいては、回答人数の少なさや誘導尋問のような設問といった問題に加え、ある市民の方が配布先を情報公開請求したところ、市民全体と配布先の年代構成に差がある配布地域も人口に比例せず中町や西久保が少なく八幡町や関前が多かった――など新たな疑問が浮上していることを紹介しました。そのうえで、本当にランダムに行ったのか検証が必要であると指摘しました。

 

続いて、弊会設立の経緯について金子は「大学で国家の在り方を研究している者として、問題の多い住民投票条例案を座視することはできなかった」と立ち上げに至った想いを率直に申し上げました。署名活動ではSNSなどを通じて数十人のボランティアのみなさまのご協力をいただき、この場を借りて心からの御礼を申し上げました。また、住民投票条例案に疑問を持った市民の方がほかにもいらっしゃることをご紹介し、マンガで表現されている秋野つゆみさんの作品をご披露させていただきました。

 

市内外のみなさまから頂いた署名は7000筆近くにのぼり、昨年12月の武蔵野市議会総務委員会で陳情した際には大きな力となりました。金子は「賛成派の市議の先生からのご質問は大変厳しいものもあった」と振り返るとともに、「左右の団体が来て武蔵野市が混乱していると陳述したところ、賛成派の市議から『原因はお前だよ』とヤジを受けた」と明らかにし、一般市民を恫喝するような市議は到底選良とはいえないと苦言を申し上げました。

 

武蔵野市の住民投票条例を考える会は、去る114日に市議会に対して検証委員会の設置要望書を提出いたしました。金子は提出した趣旨を「議論を深めなければならない点がたくさんある。否決した議員のみなさまに主導して議論していただきたい」と説明。さらに「地方自治の名において国民国家の枠組みを溶かそうとしている動きがある。脱法的な住民投票条例を制定する動きがあるのは地方自治を巡る法制に問題があるのではないか」と述べ、国政での議論を訴えました。国家安全保障のエキスパートであり地元選出の長島昭久代議士に要望書を手交、地方自治と国家の在り方について国政の場でご議論いただくことをお願い致しました。弊会は今後も市民のみなさまのご意見に耳を傾け、長島代議士や市議会の御助力も仰ぎながら活動を続けてまいります。引き続きのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。